「殺害計画」宝将のDiscover University⑥
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前回までのあらすじ:
バグで実の姉に恋してしまった青年・宝将。
姉夫婦の二人だけの再婚式に、呼ばれてないのに立ち会う。
二人を離婚させた苦労はことごとく無駄になったが、宝将自身は独身を貫く事を決意する。
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姉さんが再婚した翌日。
二人の様子が気になった僕は、性懲りもなく姉さん夫婦の家を訪ねた。そして前と変わらぬ二人のイチャつきを目の当たりにして、一方的にダメージを受けた。
思わず人前でイチャイチャした事を叱責すると、僕と平之丞さんの関係は知り合いにまで低下した。
僕と平之丞さんの関係を見かねた姉さんは、聖徳太子ぶってそんな事を言ってきた。
…だけど先日姉さんに絶交されかねない恐怖を味わったばかりだ。再びあんな目に遭うのはこりごりだ。
「グギギ…わかったよ、努力するよ。だけど僕の前ではイチャイチャしないで!いや、見てないところでもダメだ!」
その日は怒りを鎮めるために、ジムで散々サンドバッグを殴る必要があった。
僕が姉さんと夫婦だったら、ニセの別れ手紙なんかでは絶対別れたりしないのに!!
日が暮れるまでサンドバッグを殴り、ようやく僕は気持ちを落ち着けた。そして…
内に秘めた怒りが表情に表れる宝将 |
「いやぁ、この度はすみませんでしたね」
夜になってから、僕は大学寮に平之丞さんを呼んだ。
正確に言うと、平之丞さんだけだと気まずいから、クラブを利用して甥っ子達も含めて家族全員呼び出した。
別れを決めたのは二人なんだからね。
血は水よりも濃いんだ。
平之丞さんは姉さんと離婚して他人になる事もあるだろうけど、血の繋がった僕と姉さんの絆は永遠なんだ。
覚えてろよ…。
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翌日。
僕は早速、姉さんに事の次第を報告しに行った。
「姉さん、僕やったよ!平之丞さんといい友達になった」
「うん!全然気にしてないって!…それからね、平之丞さんは『私は近々プールで溺れ死ぬ予感がする。だからその時は宝将が宝の面倒を見てくれ。くれぐれも頼む』って言ってた!」
「え?変ねえ、平之丞さんは人魚だから溺れたりしないと思うけど…」
「やあ宝将、何を話しているんだい?」
「べっつにー?」ハハハ
僕は密かに抱く殺意と計画を勘付かれないよう、朗らかに笑った。
***
ラウンジの周辺で先生を見つけたので話しかけると、彼女は突然怒鳴りつけてきた。
「宝島さん!あなた全然大学生らしい事してませんよ!DiscoverUniversityってタイトルに付けているんだから、ちょっとは大学生活を満喫しなさい!」
これはたまたま大学ラウンジへ行ったら始まった勉強会に参加した様子。
ロボットサークルに入ってロボットを作っているところ。
ストーカーめいたルームメイトにイラつきながらも友情を育んでいるところ。
僕は天才だし既にたくさんの報酬特質とスキルを持つシムだから、仕事を続けながらでも大学生活は時間が有り余るほどだ。
そして時間が有り余るという事は…
僕の研究によると、人魚は連続で海藻を二つ食べると、普通のシムに戻ってしまうらしい。
これ以上は言う必要はないね?
すぐに反応があったので確認すると…
えっ?!
どういう事?!
僕と菖蒲の関係は良好だし、友好ゲージは100%だよ?!
※ソーシャルバニーに画像投稿機能はありません。実際は特に脈絡なくディスられただけです。
「宝将はキツネみたいに小狡くて、だから信用できない。」 |
その後も菖蒲は何故か僕に侮辱的なメッセージを送ってきた。
わけがわからなかったけど、その中の一通のメッセージを読んで僕は直感した。
この子は僕の企みを見抜いている…?!
万が一、菖蒲が姉さんに僕の「平之丞さん殺害計画」を告げ口したりしたら…、今度こそ僕はおしまいだ。
そもそもこの子は僕の計画をどこまで知っているんだろう?
もしかして既に姉さんに喋ってしまったのでは?!
確かめなくては…
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